歯の本数は全部で何本あるのかご存知ですか?
乳歯と永久歯では、歯の形だけではなく本数にも違いがあります。
また、一生で歯は何本残るのでしょうか?
今回は、歯の本数について解説します。
歯は何本生えるのか
生後5ヶ月頃から生え始める乳歯は上下10ずつ、全部で20本あり3歳頃には生え揃います。
乳歯は通常6歳頃から下の前歯から抜け始め、乳歯の一番奥には6歳臼歯と言われる第一大臼歯が生え始めます。
大人の歯である永久歯は全部で32本ですが、親知らず4本を除くと28本です。
永久歯は12歳くらいまでには生え揃いますが、親知らずはそれよりも遅く、20歳を過ぎてから生えてくることも多いです。
歯の生えるスピードには個人差があり、あまり心配する必要はありませんが、中には先天性欠如という、生まれつき歯の数が足りないといった場合もあります。
永久歯と乳歯の違い
歯はエナメル質・象牙質・セメント質・歯髄(神経)からできています。
永久歯と乳歯では歯の構造に違いはありませんが、乳歯は永久歯よりも小さく、エナメル質や象牙質の厚さも2倍あるのが特徴。
乳歯は歯の神経までの距離が近いため、永久歯よりも虫歯になりやすいです。
一生で歯は何本残るのか?
歯の寿命はどれくらいなのか?と気になる方も多いと思います。
実は歯には寿命というものはなく、虫歯や歯周病になっていない健康な歯の場合であれば、突然歯が抜けてしまうということは基本的にはありません。
しかし、厚生労働省のデータでは、日本人が歯が抜け始めるのは50歳頃からです。
50歳後半では入れ歯が必要な状態になります。
そして80歳では半分以上の歯を失ってしまうのです。
明治や大正時代の平均寿命は44歳前後と短かったため、歯が抜けてしまってもあまり問題はなかったでしょう。
しかし、現代は平均寿命や健康寿命が伸びているため、歯がなくなってしまうと非常に不便です。
一生の歯の本数は、認知症の予防など、健康で長生きできる健康寿命にも大きく関わっているということがわかっています。
歯を出来るだけ長く残すには
歯の寿命を短くしてしまう原因は、虫歯や歯周病の繰り返しです。
虫歯になってしまうと歯を削り、詰め物をして治療します。
しかし、一度虫歯の治療をした歯は健康な歯よりも虫歯が再発しやすく、削れば削るほど歯が脆くなってしまうのです。
歯周病は、歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。
歯周病の怖いところは、虫歯と違い痛みなどの症状を感じにくく、気がついた時には歯を支えている骨の半分以上を失っている場合もあるということです。
一度溶けてしまった骨は元には戻りません。
このように、痛みなどの症状が出てからの治療では、虫歯や歯周病がかなり進んでしまった状態なのです。
歯を出来るだけ長く残すには、『悪くなってから治療する』のではなく『悪くならないように予防する』ことが重要です。
欧米では、この悪くならないように予防する考え方が当たり前になっており、特にスウェーデンではメンテナンスの受診率が90%というデータがあります。
国民のほとんどが、問題を感じていなくても定期的に歯科医院を受診しているということになります。
その結果、80歳になっても20本以上歯が残っている方が多いそうです。
反対に、日本では悪くなってから歯科医院を受診する方が90%というデータがあります。
その結果、80歳で残っている歯は9〜12本です。
今ある歯を長く保つために、痛みがなくても歯科医院で定期的にメンテナンスを受診することをおすすめします。
メンテナンスでは、虫歯や歯周病の検査、歯磨きでは取り除けない歯石を除去することで健康な歯を保つことができます。
また、自覚症状のない虫歯や歯周病を早期発見・早期治療をすることもできるので、痛みなどの問題がなくても定期的に歯科医院を受診しましょう。