花粉症の時期になると「歯が痛い……。」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
花粉症と歯はあまり関係がないように思うかもしれませんが、密接な関係があります。
歯が痛いと感じていても、鼻が原因で痛みが出ていることも。
そこで、今回は歯を花粉症の関係について詳しくご紹介させていただきます。
【花粉症と歯の痛みについて】
鼻づまりになると、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸になってしまいます。
そうすると、お口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすい状態になり、むし歯や歯周病が悪化しやすくなります。
さらに、花粉症の薬の成分は唾液を抑える働きもあり、薬を飲むと口が乾くと感じた方もいるのではないでしょうか。
お口の中が乾燥しやすくなり、汚れを洗い流す「自浄作用」も弱くなってしまうので、お口の環境が悪化してむし歯や歯周病のリスクが高まります。
【副鼻腔炎を引き起こしている】
花粉症になると、多くの方が「鼻水・鼻づまり」の症状が出て、悪化すると炎症を引き起こし、鼻の奥の副鼻腔炎になってしまうことも。
炎症を起こす場所が上あごのため、歯の根が近くにあり、噛んだ時に痛みを感じることもあります。
この場合には、炎症が落ち着くと痛みもなくなりますので、歯科治療の必要はありません。
レントゲン撮影をすると、どこで炎症を引き起こしているか判断できます。
痛みはむし歯が進行した時に似ていますが、「冷たいものがしみること」はありません。
「噛んだ時に痛い」「振動で響く感じがする」などの症状が出ることが多くなります。
【副鼻腔炎とは】
副鼻腔炎は蓄膿症ともいわれ、膿がたまったり、ポリープできたりする状態です。
慢性的に症状が続くものを「慢性副鼻腔炎」といい風邪などで一時的に炎症を引き起こしている場合は「急性副鼻腔炎」といいます。
副鼻腔炎の原因としては「アレルギー」と「感染」が考えられます。
感染で膿が長い間たまっている状態を「蓄膿症」といいます。
【副鼻腔炎の原因】
・歯によるもの
歯の根の先に膿の袋がたまっている場合や歯周病が上顎洞にまで炎症を引き起こした場合です。
最近では、インプラント治療が普及して、インプラントが原因の上顎洞炎も報告されるようになりました。
・鼻によるもの
副鼻腔炎は風邪などでウイルス・細菌とアレルギーが原因で炎症が引き起こされる場合があります。
そうすると、ドロドロした鼻水が出たり、鼻の粘膜に腫れが起きたりします。
この腫れが原因で鼻水が上手く排出できないと、膿としてたまって副鼻腔炎になります。
【副鼻腔炎の診断方法】
レントゲン撮影やCT撮影をして診断します。
一般的には、レントゲン撮影でも判断できることが多いですが、詳しく検査が必要な場合にCT撮影を行います。
歯による上顎洞炎の場合、どの歯が炎症を引き起こしているか確認する必要があるので、画像診断が有効です。
【副鼻腔炎の治療】
歯によるものの場合には、膿を排出する治療を行います。
1度神経の治療をして、細菌感染して膿がたまっていることが多いので、再度根の中を消毒・殺菌します。
殺菌ができたら、根の中に薬を詰めなおして、新しい被せ物をします。
また、インプラントが原因の場合には、薬を服用して落ち着くものか、インプラントの除去が必要か判断していきます。
【まとめ】
花粉症の時期には、歯に痛みで来院する方が増えますが、副鼻腔炎が原因で痛みが起きている可能性があります。
鼻によるものの場合、症状が軽い時に薬を服用すると、早く落ち着きます。
歯によるものの場合、原因の特定をして、根の先に膿がたまっている場合は治療が必要です。
当院では、レントゲン撮影をして痛みの原因を特定いたしますので、お気軽にご相談ください。