歯周病は多くの人が発症している国民病だといわれています。
歯周病の原因をご存じでしょうか?
歯周病は、歯の周りのプラーク(歯垢)により引き起こされます。
プラークは、細菌のかたまりです。
さまざまな種類の細菌が集まったもので、むし歯の原因になる菌や、歯周病の原因になる菌が含まれています。
菌が歯の周りの組織を攻撃することにより、炎症を起こしているのが歯周病なのです。
歯周病に早く気付くためにも、前兆があれば早めに歯科を受診しましょう。
例えば、おくちのネバネバ感が気になったり、ブラッシングで出血しやすくなったりします。
他にも、口臭が気になったり、歯ぐきが赤くなったり腫れてきたり、お食事では硬いもの噛みにくいと感じるようになります。
早めに歯周病の治療を開始することで、ある程度のところまでは回復することができます。
しかし、症状がないからと歯周病を長期的に放置すると、回復が難しい状態まで進んでしまいます。
具体的には、歯を支えている骨が溶けて歯が抜けてしまうのです。
抜けてしまった歯を再び埋めることはもちろんできませんし、溶けてなくなった骨を元に戻すのは難しいので、そうならないよう予防を心がけまょう!
歯周病予防の基本はプラークを除去することです。
では、ハブラシでしっかりプラークを除去していれば、歯周病にはならないのでは?と思われるかもしれません。
ハブラシでのホームケアでは、なかなかすべてのプラークを落とすことは難しく、歯がガタガタしているところや、ハブラシの届きにくい部分にプラークが溜まってしまいます。
細かい部分のお手入れは、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して丁寧に行うことが必要です。
どこに汚れが溜まっているかは、歯科医院で専門的なケアをしてもらうことでより詳しく知ることができます。
また専門的なケアでは、溜まっている歯石など、おうちでは落とせないような汚れもしっかり取り除いていきます。
ホームケアと専門的なケアと、どちらが欠けても良くないといわれていますから、定期的な歯科検診を受け、歯周病を予防しましょう。
歯周病のリスクが高くなりやすい病気もあります。
糖尿病は、インスリンの働きが弱まるために、血糖値が上昇してしまう病気ですが、免疫力の低下する病気としても知られています。
免疫力が低下していると、歯周病菌に対しても防御力が弱まるため、歯周病になりやすくなるのです。
また、歯周病菌は、血液中のインスリンの働きを低下させるという報告があり、糖尿病を悪化させることもあります。
糖尿病と歯周病は相互反応しているため、どちらかを改善することで、もう一方も改善することがわかってきています。
歯科医院は、悪くなった歯を治療するところでもありますが、悪くなる前に予防するところでもあります。
おくちの健康を守るためのお手伝いをしているところでもありますから、「たいしたことないのに…」と思わずに、少しでも気になったら、気軽に相談してみましょう。