虫歯の治療で、削って詰め物を入れる治療は基本的に1本の歯に対して1、2回で終わらせることができます。
しかし、神経を取る治療となるとその何倍も時間がかかってしまうのです。
基本的な神経の治療は、まず歯を削って神経を取り除きます。
その後に神経入っていた通路を薬が詰められるようにきれいにしながら、その通路の長さを図り、薬を詰める準備をしていきます。
歯の状態も診ながら行い、ここまでの時点でだいたい少なくても2、3回の通院が必要になります。
その後に薬を詰め、歯の中の治療は終わりになり、今度は歯の外側に移っていきます。
虫歯が小さかったり、虫歯以外の理由で神経を取って歯の大部分が残っている場合は詰め物をして終わりになりますが、虫歯が大きく歯がほとんど残っていない場合、まず歯の土台を立てる必要があります。
型取りをして、その歯に合った土台を作ってから入れるのでそこで2回の通院が必要となります。
その土台をつけた後に被せ物の型をもう一度取り、それができてから最終的につけることになるので、短くても6回ほどの通院が必要となります。
歯科医院に行くのが週一回だとすると、1ヶ月半かかるということになります。
しかもこれは短い場合で、神経の治療中に痛みが取れないなどの問題があったり、虫歯で神経が死んでいるのをずっと放置していたり、以前神経の治療をしていたところが膿んでしまった場合などは更に時間がかかってしまい、治療期間が延びてしまいます。
特に虫歯でとても強い痛みがあった後に急に痛みがなくなったりすると中で神経が死んでしまった場合があります。
虫歯が自然に治ることはないので注意してください。
以前、神経を取った歯が噛んで痛かったり、歯茎がぷっくり腫れている場合は膿の袋ができている可能性があります。
それ以外でも、違和感があった場合などは早いうちに歯科医院に行くようにしましょう。
そして、日本の保険制度の関係でも一気に進められない理由があります。
保険診療の場合、治療内容それぞれに点数が決まっていて、その点数によって金額も決められます。
そして支払いはその3割を患者さんが窓口で負担し、残りは国に請求されます。
国としては医療費の削減をしたいので、その時に治療を一気に進めて請求がほかの人よりも異常に高くなってくると歯科医院が行政指導を受けるのです。
患者さんのことを思うと早く進めたいけど、制度によって進められないという問題もあるのです。
点数が決まっている関係で保険診療をメインにやっている歯科医院では1日なるべく多くの患者さんを診なければいけません。
治療が長ければいいというものでもないですが、特に神経の治療などは歯科医院によっては適当に数回で終わらせて、後々問題が出てくるところもないわけではありません。
歯科医院を探すのは大変ですが、しっかり説明をしてくれて話を聞いてくれる、信頼できる先生の元で治療をしてもらいましょう。
そして回数がかかるのはしっかり治すためでもあるので、自分の今後のためにも最後まで通うようにしましょう。