親知らずは抜いた方がいいのですが、注意するべきことがいくつかあります。
まずは下の親知らずを抜く際の下顎管の位置です。
顎の中に太い神経と血管が通っているのですが、それが親知らずの根っこの先と近い場合があります。
下顎管を傷つけてしまうと大量の出血があったり、麻痺が出たりする場合があります。
必ずレントゲンやCTを撮って下顎管の位置を確認してから抜歯する必要があります。
一般の歯科医院や先生によっては抜歯できないケースもあり、そういった場合は大学病院で抜くこともあります。
他には糖尿病や高血圧、心臓病などを持っている方。
そういった方は歯科医院だけでの判断ではなく、主治医の先生との話し合いも必要になっています。
血液を止めにくくするお薬を飲んでいる方なんかも抜歯した部分の出血が止まらなくなってしまうので同じように内科の先生と相談しましょう。
また、親知らずが生えてきてないのに無理に抜く必要はありません。
外と繋がっていない場合は虫歯にもならないし、歯周病になることもないので心配する必要はありません。
出てきてからの方が抜きやすいので、抜くのは出てからにしましょう。
また親知らずが歯列に沿ってきれいに並んでいる、まっすぐに生えてきている場合は抜かなくても大丈夫です。きれいに生えていると汚れも溜まりにくくなります。
それからもし親知らずの手前にある歯が大きい虫歯になっていたり、神経がなかったりして抜く可能性がある場合。
この場合はもしかしたら部分矯正で親知らずを手前に持ってきて使う場合があります。
そのため、もし抜く可能性がある場合は残しておいた方がいいこともあるため、先生と相談してみてください。
親知らずを抜いた後はとても出血しやすい状態になっています。
抜いたその日は運動、飲酒、お風呂に浸かるなど出血しやすくなることは避けましょう。
抜いたところを歯ブラシで磨いたり、激しくうがいをしたりすると、かさぶたのようなものが剥がれてしまいます。それもまた出血してしまう原因となりますので注意しましょう。
もしお家に帰ってから出血がある場合は、ティッシュやコットンなどを水で濡らし、固く絞ってからそれを噛んで、圧迫して止血をするのが一番早く止まるやり方です。
その際濡らさないで噛んでしまうと、傷口にティッシュなどがくっついてしまうので気をつけましょう。
ただ、唾液があるため血が止まっていても、抜いた当日は血の味がすることは多いです。
気になる場合はまず鏡で確認しましょう。
親知らずは抜いた方がいいという説明をしてきましたが、どうしても抜くのが怖い方もいると思います。
そういった場合は無理に抜く必要はありません。
ですが、今まで説明した、虫歯や歯周病になりやすくなるというリスクを分かった上で観察をしていきましょう。
そしてブラッシングする際も意識して歯ブラシをよく当て、できるだけ汚れを残さないように注意して磨くことが必要です。