保険診療は、健康保険証があれば保険の範囲内で治療が受けられるものに対し、自費診療は健康保険が適応しません。
この2つの違いについて詳しく解説していきます。
自費診療とは
自費診療は、保険適応外のため10割負担となり、歯科医院によって金額が異なります。
特に細かいルールがなく、セラミックなどの材質も自由に選べます。
機能性だけではなく、見た目も美しくできる「理想的な治療」が可能です。
自費診療のメリット
- 最善の方法で治療が受けられる
- 機能性にも優れて違和感も少ない
- 見た目や色にもこだわれる
自費診療の一番のメリットは、最善の方法で治療が受けられることです。
保険診療のように細かいルールもないため、機能性や違和感の少なさ、見た目や審美性優れた材質で治療が可能です。
自費診療では治療方法や型取り方法、詰め物の接着剤まで全ての精度が高いです。
セラミックやゴールドなどの変色や劣化が起きにくい材質は、見た目の美しさだけではなく、虫歯の再発を予防できるといったメリットもあります。
自費診療のデメリット
- 保険診療に比べて高額
- 歯科医院によって費用に差がある
保険診療で治療を受ける場合は、どこの歯科医院でも金額は同じです。
しかし、自費診療の場合は歯科医院によって費用にかなりの差があります。
歯科医院によって独自の治療方法を採用している場合もありますし、使用する材質もさまざまです。
保険診療とは
保険診療での患者さんの医療費負担率は3割・2割・1割となり、残りは自治体や国が負担し、どの歯科医院で治療を受けても同じ金額となります。
保険診療には、厚生労働省が定めた細かいルールがあり、虫歯治療に使用できる材質なども決められています。
歯や歯肉の痛みや腫れを治す、噛めるようにするなど「最低限の治療」を目的としたものです。
保険診療のメリット
- 治療費が安価
- どこの歯科医院でも費用は同じ
保険診療は、負担率が決められているため比較的治療費が安く、全国どこの歯科医院で治療を受けても費用が同じことがメリットです。
保険診療のデメリット
- 保険の適応の細かいルールがある
- 材質が選べない
保険診療にはルールがあり、治療方法や虫歯治療の詰め物や被せ物の材質が決められています。
材質は金銀パラジウムなどの銀歯を使用しますが、金属アレルーギーの可能性や、時間の経過と共に劣化しやすいため虫歯の再発が懸念されます。
また、ホワイトニングやインプラント、歯列矯正などの治療は保険の適用にはなりません。
保険診療のルール
保険診療のルールについての例を一部解説します。
歯石除去に回数がかかる
歯石除去(スケーリング)の本来の目的は、歯周病治療となります。
そのため、最初にレントゲン撮影や歯周ポケットの検査をして、歯周病の進行具合を確認しなければなりません。
歯石を除去した後は、期間をあけて再び検査を行う必要があります。
検査をしない場合や歯石除去を一度で終わりたいといった場合は、歯周病治療ではなく「クリーニング」となるため、自費診療となります。
歯の着色は保険適応外
歯の着色除去は歯周病治療ではなく審美目的に該当するため、保険適応外となります。
歯のクリーニング(PMTC)は、時間をかけて一度で口腔内の歯石や着色を除去します。
保険の入れ歯を作り直せるのは6か月後
保険適応で作った入れ歯をなくしてしまったなどの理由で作り直さなくてはならない場合、6ヶ月は新しい入れ歯を作れないルールがあります。
自費診療と保険診療の違いを理解していただいた上で、患者さんに合った治療方法を選択していただく必要があります。
しっかりと説明があり、信頼できる歯科医院での治療をおすすめします。
ご不明な点は歯科医師にご相談ください。